2014年4月27日日曜日

第1回「校長先生・園長先生に聞く」 千種中学校 喜多英雄校長先生

 ちくさっ子を育てる会では、千種町内の学校園の校長先生・園長先生に、学校の紹介や取組み・地域へのメッセージなどを寄稿していただきました。

 
 
 今回から不定期ですが、紹介していきたいと思います。

 
 なお先生方には、新年度のお忙しい中、メッセージをお寄せいただきまして、誠にありがとうございました。
 


 
第一回目は、千種中学校の喜多 英雄校長先生です。


『知を磨き 情につちかう』

~故郷を愛し、故郷へ還る生徒の育成~

 

宍粟市立千種中学校 校長 喜多英雄

 

 千種中学校区は、平成18年度から平成21年度まで、宍粟市教育委員会より「幼・小・中の連携に関する研究」の指定を受け、義務教育9年間のみならず幼稚園との連携を取り入れ、小1プロブレム・中1ギャップの解消に向けて、幼・小・中全教職員が子どもを見守る体制づくりに取り組んできました。また平成21年度・平成22年度に、文部科学省より「コミュニティスクール調査研究指定校区」の指定を受け、それまでの研究成果を生かし実践を深めました。平成22年度には、兵庫県で初めて千種中学校区学校運営協議会(たたらの里学園運営協議会連絡会)が発足し、保護者・地域住民が学校運営について協力していく体制が確立しました。同年度には、兵庫県立千種高等学校と千種中学校が、兵庫県で初めて連携型中高一貫教育校となり、千種町内の学校園は1つにつながり連携しあいながら、またそれぞれの良さを生かしながら地域の協力を得て今日に至っています。

 本校の特色ある取組としては、「千種学」があげられます。「千種学」は、「千種の自然、歴史、文化、産業を学び、千種に誇りを持ち、千種を伝える力を育成する」ことを目標に、平成23年度から全学年においてスタートしました。

 千種には、森林・水・鉱物などの天然資源に加え、スキー場、ゴルフ場、歴史的文化的遺跡などの観光資源があります。健康に配慮した農業、畜産業があり、付加価値の高い農産物や加工品があります。また、世界に誇る技術を有し、市場シェアが高い製品を作る企業もあります。手漉き和紙など歴史的文化を継承される方もいます。

 ところが、生徒達はこの千種が持つ素晴らしい資源や文化、産業を十分に理解しないまま社会人になります。そこで、千種を教材とし、地域の方々を講師に迎え、体験的に千種のことを学ぶことが出来る「千種学」を開講しました。

 平成25年度は、1学期12講座(主として3年生対象)、2学期12講座(主として2年生対象)、3学期7講座(主として1年生対象)、計31講座実施しました。本講座の分野は多種多様であり、また講師のほとんどの方々が千種町在住であり、それぞれ生徒にとって興味深い内容となっています。

 年間3回実施している本校の学校運営協議会においても、この「千種学」は高い評価を得ています。学校運営委員の方々からは、「千種学は本当に素晴らしい取組で広く内外に知ってもらいたい。引き続き、地域を巻き込んで成熟していって欲しい。」、「生徒達には、自然の中で、厳しさも含め千種の良さを感じながら成長して欲しい。何処にいても、どんな生き方をしても、心の原点となる故郷を愛せる人に育って欲しい。今後も、学校・家庭・地域あげて千種学を展開・継続していくべきだと思います。」という貴重な意見を頂いています。

 本校のもう一つの特色ある取組は、「早寝・早起き・朝ごはん運動」です。基本的な生活習慣をめざす「1週間の生活しらべ」、本校生徒出演の手作り教材(DVD)の作成及びDVDを使った啓発活動、本校生徒が小学校に出向き実施する「小中交流出前授業」や「小中交流保健集会」、広報誌「千種中学校区早寝・早起き・朝ごはん運動」の発行等を通じて、食生活・生活リズムの改善を図っています。この取組が認められ、平成25年3月7日に文部科学大臣賞を受賞しました。

 『知を磨き 情につちかう』の学校教育目標のもと、私たち教職員は、心を一つにし、「故郷を愛し、故郷へ還る生徒」を一人でも多く育成するよう全力で取り組んでいきます。本年度も、保護者・地域の方々のご支援とご協力を賜りますようよろしくお願いします。